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佐々木修コラム
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PEN 2025/06/04(Wed)

管理栄養士の未来とこれからの給食

こんにちは。月刊『ヘルスケア・レストラン』の元編集長でフリーの栄養編集者の佐々木修です。

 2025年5月30日(金)、私が司会を務めるオンラインのトークイベント、「クックパック®︎トークライブ」第1弾が開催されました。今回、講師にお招きしたのは宮澤靖先生(東京医科大学病院栄養管理科科長)です。

 開催にあたって、私はまず1枚の写真を提示しました。これは2009年7月末、高知県にある近森病院のNST回診中、ベッドサイドで高齢患者さんの頸部聴診を行う宮澤先生を撮影したものです。
 この頃は、今のように栄養管理の対価としての報酬は皆無でした。それでも宮澤先生をはじめとする10人弱の管理栄養士は、毎日全力ですべての入院患者さんに対して栄養介入を行っていました。「すべての患者さんに漏れなく適切な栄養管理を提供する」という信念のもと、朝8時前から夜11時過ぎまで、寝る時間を削って必死に栄養管理のアウトカムを模索し続けていたそうです。

 数々の学会等でこうした努力の結果を発表し続けてきた結果、今では早期栄養介入管理加算や入院栄養管理体制加算、周術期栄養管理実施加算など、適切な栄養管理に対するいくつもの加算が導入されました。そして、これらの加算が管理栄養士を病棟常駐へ導く道標となっています。

 しかし今、空前の物価高と慢性的な人手不足がこの道の前に立ち塞がっています。いずれの給食受託会社も委託費を値上げしなければならない状況に陥り、その費用を少しでも低減するため、病院側の管理栄養士は病棟業務の時間を割いて、厨房業務に従事することも多いかと思います。

 厳しい状況ではありますが、宮澤先生たちが切り拓いてきた病棟常駐という未来を諦めるわけにはいきません。それは管理栄養士の未来を閉ざすことになります。
 トークライブの中で宮澤先生は、この厳しい状況を打開する方法の1つとして挙げたのがアッセンブリー方式の完全調理済み食品の導入です。これは、宮澤先生と株式会社フーヅリンクが開発を進めている新たな方式の完全調理済み食品のシステムです。

 従来の完全調理済み食品は、予め食品会社が用意した完全調理済み食品のラインナップの中から、病院側が必要と思われるメニューを選択するものでした。
 一方、アッセンブリー方式は、病院で提供している現状のメニューをメーカー側が完全調理済み食品として再現するものです。
 今提供しているメニューがそのままトレイメイクされた状態で搬入されるため、病院側の調理や食器洗浄などの負担は皆無。現状の適切な栄養管理を継続して提供することができるのです。

 管理栄養士の病棟常駐という未来を実現するため、給食の提供にお困りの方は一度、株式会社フーヅリンクにご相談されてはいかがでしょうか?


佐々木修氏

佐々木修/プロフィール

月刊『ヘルスケア・レストラン』の元編集長であり、現在はフリーの栄養編集者として活動しています。
栄養管理に関する情報を発信するトークライブなども行っており、専門的な知識を活かして多方面で活躍中です。