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PEN 2025/05/27(Tue)

管理栄養士・栄養士の収入とやりがいを考える

こんにちは。月刊『ヘルスケア・レストラン』の元編集長でフリーの栄養編集者の佐々木修です。

 令和6年度診療報酬改定で「ベースアップ評価料」が新設されましたね。みなさんの給与はアップしましたか? 
株式会社エス・エム・エスが2025年2月4日に発信したプレスリリース(2024年12月5日〜2024年12月11日にかけて全国の管理栄養士・栄養士1,990人に対してWebを使ったアンケートの結果)1)によると、管理栄養士・栄養士の66.6%が昇給ありと回答されたそうです。
もっとも同調査では、管理栄養士の月給最多が「21〜25万円代(43.1%)」、栄養士は「16〜20万円代(40.4%)」となっています。「2021年日本看護職員実態調査」2)によると看護師の平均月収(税込)は38万4,745円ですから、まだかなり差があると言えるかもしれませんね。

 では、管理栄養士・栄養士の仕事のやりがいについてはどうでしょうか? 
これも株式会社エス・エム・エスのプレスリリースによると、69.5%が現在の仕事にやりがいを感じており、「患者・利用者から感謝される(50.0%)」「休みや勤務時間に満足している(41.1%)」「食に関する仕事に携わるのが楽しい」(39.3%)(複数回答)という声が挙がっています。厳しい雇用状況の中でもみなさん、ポジティブに頑張っていることがよくわかります。
逆に現在の勤務先に満足しているのは47.3%で、「現在の職場では本来の管理栄養士・栄養士としての業務に集中できていると思いますか?」という問いについては、そう思うと答えたのは41.9%に留まりました。

 近年、早期栄養介入管理加算、手術期栄養管理加算、入院栄養管理体制加算、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算など、管理栄養士が病棟に常駐して栄養管理に専任できるための改革が進められています。しかし、こうした回答を見ると、なかなか病棟に常駐することが難しいと実感します。
その主たる原因の1つが給食問題ではないでしょうか?

 高騰し続ける光熱費と食材費、調理スタッフ不足を補うため管理栄養士が厨房に入らざるを得ない現実……。
もはや抜本的な給食改革を断行しなければ、このまま厨房業務に日々明け暮れることになるかもしれません。

 株式会社フーヅリンクは、さまざまな病院や施設の状況に合わせて導入可能な完全調理済み食品を使用した効率的な給食システムをご提案させていただきます。ぜひ、ご相談ください。

※写真と本文は関係ありません

出典

1)エス・エム・エス:「エイチエ」管理栄養士・栄養士の働き方に関する実態調査
https://www.bm-sms.co.jp/news-press/prs_20250204_eichie_research/
(2025年2月4日)

2)日本看護協会:2021年看護職員実態調査
https://www.nurse.or.jp/nursing/home/publication/pdf/research/98.pdf#page=30
(2025年5月9日)


佐々木修氏

佐々木修/プロフィール

月刊『ヘルスケア・レストラン』の元編集長であり、現在はフリーの栄養編集者として活動しています。
栄養管理に関する情報を発信するトークライブなども行っており、専門的な知識を活かして多方面で活躍中です。