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PEN 2026/10/09(Fri)

病院管理栄養士の在宅訪問が当たり前になる可能性

こんにちは。月刊『ヘルスケア・レストラン』の元編集長でフリーの栄養編集者の佐々木修です。

 今回は令和8年度診療報酬改定で新設された「退院後訪問栄養食事指導料」(530点/回)について考えてみましょう。

 従来、診療報酬上の在宅患者に対する栄養食事指導料には、外来栄養食事指導料(260点/回、初回以降200点/回)および在宅患者訪問栄養食事指導料(530点/回)がありました。いずれも算定期間と回数に規定はありませんが、前者の算定主体は外来医療機関、後者は在宅療養担当医療機関等となっており、術後の栄養状態が気になる管理栄養士にとって、直接、患家で栄養食事指導をしたくても、なかなか実施できない状況にありました。
 しかし、退院後訪問栄養食事指導料の新設により、退院後1カ月以内・4回までという縛りはあるものの、入院中に栄養管理を担当した管理栄養士が退院後も引き続き栄養管理を継続可能となりました。病院の管理栄養士にとって活躍の場を広げる追い風になったと言えるでしょう。

 本加算の対象患者は以下となります。
・特別食を必要とする患者
・がん患者
・摂食機能または嚥下機能が低下した患者
・低栄養状態にある患者(GLIM基準等で診断)

 いずれも退院後、在宅療養で必要なエネルギーやたんぱく質、栄養成分を自力で摂取することが難しく、栄養状態が悪化して合併症等を発症して再入院するリスクの高い患者です。
 本加算新設の目的の1つは、退院後に病院の担当管理栄養士が在宅で即座に栄養介入することで栄養状態の悪化を防ぎ、再入院のリスク低減に努めた後、在宅患者訪問栄養食事指導料へ引き継ぐことでしょう。

本加算の算定に当たっては、病院の管理栄養士による訪問体制の整備、退院前カンファレンスによる栄養管理目標の設定、訪問記録の様式整備、医師の指示書・指示記録の運用の確立など、クリアすべき多くの課題があります。
何より、訪問するマンパワーの確保と在宅療養に必要な献立の適正な運用が大きなハードルとなるでしょう。いずれ退院後訪問栄養食事指導料は、入院基本料の算定要件に包括され、その実践が栄養管理の1つとして当たり前の要件となるかもしれません。
その時に備え、今から完全調理済み食品を導入し、厨房業務の効率化による病院管理栄養士の負担軽減を図るとともに、院内で運用している完全調理済み食品を在宅での活用にも活かすことが可能な運用体制構築も重要な課題になってくるかもしれません。

写真はイメージです
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佐々木修氏

佐々木修/プロフィール

月刊『ヘルスケア・レストラン』の元編集長であり、現在はフリーの栄養編集者として活動しています。
栄養管理に関する情報を発信するトークライブなども行っており、専門的な知識を活かして多方面で活躍中です。